『多頭飼育崩壊』~ペットの多頭飼育で生活が破綻するケースが増えています!!
2015/12/02
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アニマルホルダー
こんにちは~。株式会社カウルの野邊(ノベ)です。
当社が任意売却事業をはじめて約4年ですが、ご相談を頂くお客様にはいくつかの傾向があります。
その中で、ペットの多頭飼育により生活が破綻したケースが大変増えています。
そもそも『多頭飼育崩壊』とは、もともとは行政担当窓口や動物保護団体の間で呼ばれている現象で、避妊去勢手術をしないまま多数の犬や猫を同じ場所で飼育した結果、自然発生的に繁殖してしまい、飼い主の手に負えないほどに増えてしまう状況を指します。
良くTV等で見聞きする『多頭飼育崩壊』は、ブリーダー等が市場の変化により人気の無くなった犬種を放置したり、皮膚病の蔓延によりペット市場に出せない犬猫や繁殖能力の落ちた親の犬猫等が放置される例ですが、私が経験している『多頭飼育崩壊』は、通常の住宅地で起こっています。
ペットの多頭飼育により、住宅ローンの支払が困難になったと判断するのは大変早計な考え方ですが、現象として住宅ローンの支払が困難となった方に『多頭飼育崩壊』の方が見受けられるのは事実です。
この『多頭飼育崩壊』に陥るケースとしては、大きく2つに分類されます。
1)一般の方の場合
・知識不足や金銭的な事情からペットの避妊去勢手術をすることができなく、多頭飼育崩壊に陥る場合が多いです。
・自分の意思で多数の動物を集め続けて、適切飼育が不可能になっても動物たちを手放すことができない精神状態に陥ってしまう、いわゆる『アニマルホルダー』の方も多いです。
2)ボランティア参加者、以前からの多頭飼育者の場合
・ペット好きや責任感から捨て猫を多く飼育し始めたり、多頭飼育をしていることがわかると周りから飼えなくなったペットを押し付けられるケースも多いようです。
・本来、愛犬家や愛猫家で能力的にも多頭飼育が可能であったが、
①飼い主のケガや病気、高齢等の理由により面倒を見れなくなった。
②飼い主の失業等の経済的な理由により飼育環境の維持が出来なくなった。
この両ケースにおいて、ペットの糞尿の悪臭等で生活環境としては劣悪で住民への健康上精神上の悪影響はもとより、近隣住民にも迷惑をかけている場合が多々あります。
また、住宅ローンを融資している銀行や保証会社としても、経年による抵当不動産の減価は甘受するところですが、『多頭飼育崩壊』に陥った不動産は、汚損・毀損は著しく相当な減価要因となってしまいます。
任意売却や競売による売却価格が、本来期待している価格よりかなり低い価格になってしまい、多くの損失を被ってしまいます。
また、物件の所有者としても、売却後の残った債務が多額になり、『自己破産』等の法的解決しか選択肢がなくなってしまう方が多いです。
過去の当社の『多頭飼育崩壊』の事例では、
①岡山市南区 一戸建
捨て猫対策のボランティア参加者 猫37匹の多頭飼育 居宅は買手がつかず競売移行 通常の取引価格より約50%減価で落札
②岡山市東区 一戸建
一般の愛犬家 犬9匹の多頭飼育 居宅は任意売却で通常の取引価格より約25%減価で売買
③赤磐市 一戸建
一般の愛犬家(アニマルホルダー) 猫14匹の多頭飼育 汚損が酷く債権者と協議の上、売却不能と判断
さて、このように『多頭飼育崩壊』に対しては、飼い主の生活や生活環境が崩壊する前に行政や動物愛護団体等でも徐々に対策を整えているようです。
例)行政の現状把握について
→茨城県では犬10頭以上、長崎県・滋賀県では犬猫合わせて10頭、佐賀県では犬猫合わせて6頭以上飼育する場合は、県条例により届出制度を設けています。
また、ボランティア団体によるカウンセリングや飼えなくなった犬猫の里親探し等の活動が民間レベルで行われているようです。
高齢化や単身世帯が広がる中で、ペットを飼うことで人生を豊かに過ごそうという人も少なくない時代です。
こういう時代の新たな弱者となってしまった方への積極的な救済も、今後の行政の大きな役割の一つであると感じています。
住宅ローンの返済でお困りの方は、ぜひカウルにご相談ください。
今はなんとか支払っているが、今後の支払いが心配な方もぜひご相談ください。